おどおど姫と甘い恋♡
「大ちゃん、なんか言えって」
「……。」
「あ、なんなら俺のID教えよっか?」
「大原先輩が、……いいんです、」
「……だよねー」
目で、探し続けてたら……
「……お。」
急に、目が冴えるみたいに、視界が一気に開く。
遠い向こうに見えたあの子に、心臓が、生き返るみたいに動き出す……
「じゃあ大ちゃんの番号、俺が教えとくよ?いい?」
あの子が……いる。
遠いけど、見える場所に、あの子がいる……
「いいの?大ちゃん?」
「あ、ん?うん、」
「いんだな。よし、えーとね、ちょっと待ってね」
「はい、ありがとうございます、!」
見つけたあの子に、全部が夢中。
遠いけど、声も聞こえない場所だけど、……なにあれ、可愛い、、、
「大ちゃん、ほんとによかったの?」
「う、ん?」
気づいたら、さっきの女子はいなくなってた。
「雄介も教えることないのに」
「だってかわいそーじゃん」
「こいつ全然気なさそうなのに、期待持たせるほうがかわいそうじゃん」
「大ちゃんの場合、適当に遊べる女とか全く必要としてないのにさ」
「だってよぉ……」
「つーか当の本人、なんも聞いてないけど」
目の前で起こってることは、耳にも目にも入らない。
遠くに見えるあの子だけが、今俺の目の前にある現実みたいだから……