おどおど姫と甘い恋♡
「あー、恋をすると世界が色を変える的な?」
「乙女だな、大ちゃん」
「でもまぁ変わるよな、実際。ピンク色に」
「ピンク? 俺の場合は花が飛んでる」
「俺は萌え系の子を見ただけで変わるけどね。脳内変換でメイド服になんの」
「それなんか違くねぇ?」
変わる景色は人それぞれ、みたいだけど……やっぱりこれは、恋のせい。
やっぱりあの子のせいなんだなって、納得して、咥えたストロー。
購買前を通る、たくさんの生徒を見ていた視界が、急にグワっと開いて、
俺ん中の、全部の音が消える感覚の中、
目の前を、通り過ぎてくあの子と、
「……、」
「、…」
目が、合った……
「ななー、何してんの、早く行くよー」
友達に呼ばれて、駆けだすあの子。
呼ばれた名前は……なな。
1年3組の……
高橋、ななちゃん。
「雄介……。」
「ん?」
「恋は仕勝ちだ。」
「え、なにそれ」
友達に、初めてアドバイスができた。
絶対に、
仕勝ちしてやる。