おどおど姫と甘い恋♡
2時間目も3時間目も4時間目も終わって……5時間目の前。
自分の席でボーっと宙を見上げてたら、仁王立ちしたあずさが視界に入りやがった。
「ハナシ、した?」
「……。」
名前を知ってから1週間……あれから、全然、新情報はない。
2回ぐらい見かけたことはあったけど、遠すぎたし、通行人でしかない俺が、なにを話せばいいのかやっぱりわかんないから。
「あれから、例の1年生とはお話をしたのかい?って聞いてんだよすぐるくん」
「……。」
5時間目を前にして、あずさの尋問が始まった。
「結構経ちますけど、どのくらい進展したんでしょうか?」
「……。」
クラスと名前を知っただけ……なんて言ったら、あずさは絶対呆れる。
あれから何週間経ってんだって、説教が始まる。
だからって黙ったままじゃ、この尋問が延々に続くだけだ……。
「お、れのことは、いんだよ。お前はどーなんだよ、瞬くんと。」
「……」
一瞬、……あずさのオーラが怯んだ。
尋問をしていた強気な顔から、覇気が消えた。
え、なに……なんか、あった、?