おどおど姫と甘い恋♡
「よし、かーえろ!」
あの子たちを見送ったあずさが、教室の中に戻ってくる。
あっという間に見えなくなったあの子の姿に、一気に現実に戻った気分。
「……あずさ。ちょっと来いや。」
近寄って、あずさを引っ張り教室の端に移動した。
「なによ」
「お前、さっきなに言おうとした。」
「さっき?」
「今の1年、……あの子に、」
「……あー」
あの子の前で言いかけた、『だいたいさぁ、あのバカは男のくせにいつまで経っても自分の、』の続き。
絶対余計なことを言おうとしてたって分かるのは、あずさの性格を知ってるから。
「別に、真実をお伝えしようと思っただけよ?あのバカは男のくせに、いつまで経っても自分の好きな子に話しかけれない、どーしよもない男だって」
「……。」
まじで……言われなくてよかった。