おどおど姫と甘い恋♡



次の日の放課後も、パネル係の絵を手伝うことから始まった。


昨日と同じメンバーが講堂に集まっていて、俺が下書きを描いたところを他のみんなが濃く縁取りしてってくれる。


旗も描きに行かなきゃだし、俺の放課後は昨日から妙に忙しい。



しばらく描いて、もうそろそろ旗描きに行くかって、立ち上がって講堂を出る。


講堂と同じ1階にある購買横の自販機で、いつものようにコーヒー牛乳を買った。


ガコン!って、あのときと同じ、音が鳴る。




「あ、大ちゃんせんぱぁ~い」

「…、」



自販機からコーヒー牛乳を取り出したのと、ほぼ同時。


聞き覚えのある声が、俺を呼んだ。


愛原さん、だ……。



「こんにちは~」

「うん、」

「あ、コーヒー牛乳だ!好きなんですか?」

「……うん、……多分、」

「わぁ、私も好きなんです」

「そ、なんだ、」

「はい!」



なにを、どうしたらいいのか……。


経験豊富な瞬くんと直人の恋愛バナシ、ちゃんと聞いとくんだったって、今更後悔。


こういうとき、あの2人ならどうすんだろ……。


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