おどおど姫と甘い恋♡
「よかった、です。付き合ってたら、どうしようかと思いました」
「……。」
あからさまに『よかった』って言われて……いよいよ困る。
バカな俺でもわかるくらいの好意に、なんも言葉が出てこない……。
「あーっと、私もうほんと教室戻んなきゃ。すぐるも戻るでしょ?」
「う、ん、、」
「てことだから、じゃあこの辺で失礼しますね、かわい子ちゃん」
「はい、…」
「またどこかで会いましょうねー!」
あずさに腕を引っ張られて、強引に、廊下を進む。
俺、今、あずさに助けられた……のか?
多分、助けられた……と、思う。
てことは、俺が困ってたの、バレてる?
「あの子じゃないんでしょ?すぐるを虜にする、1年女子」
「…、」
「今の子じゃないんでしょ?」
なんでわかんのか……あずさの勘は、意外と鋭い。
「違う。」
「やっぱな」
「……。」
なにをどう思って愛原さんではないって思ったのか。
1年の女子とあんな雰囲気で話してれば、誰だって誤解しそうなもんだけど。
俺の好みとか、好きそうな子とか、そんな話一切したこともないあずさが、一体なにを感じ取ったのか。
その答えはわかんないまま、コーヒー牛乳を飲みながら教室まで二人で歩いた。