おどおど姫と甘い恋♡
「ななー、私購買で肉まん買ってくるね」
「え、肉まんなんて売ってるんだ?」
多分、1年生。
制服、キレイだし。
靴のライン、あんまよく見えない距離だけど……多分、1年生。
その女の子が、しゃがみ込んで、自販機から取り出したのは。
コーヒー牛乳。
「じゃあ買ってくるからちょっと待ってて」
「うん。いってらっしゃーい」
喉が渇いているのか、その子はすぐにストローをプスって刺した。
けど……。
「え……。えええーー!」
「なに、ななどうした!」
奇声を発したその子の傍に、友達たちが一気に集まる。
「ストローが奥まで入っちゃった……!」
「は?なんでよ」
「取れない、飲めない!コーヒー牛乳、飲めない!」
「ミネ、ストロー取ってやって。あんた器用でしょ」
「いや、別に器用じゃないし。なに情報よ」
「そんな手の込んだ巻き髪して、器用じゃないとかありえないし」
「これは早起きしてやってんの!器用じゃないから早起きしてんの!」