おどおど姫と甘い恋♡
「そういやこの間さ、弟の部屋からメイド系のエロ本出て来たんだけど」
「……。」
「あいつヤマと同じ趣味なのかな」
「……。」
メイド……。
菊の弟、まさかあの子にメイドの格好とかさせてるわけじゃねぇだろうな……。
まじでやめろよ……。
頼むからやめてくれよ……
「そういえば大ちゃん、例の子とはどうなってんの?」
「…、」
「1年の、前言ってた、あの子」
「聞くな。」
「お、上手くいってない感じだ?」
「……。」
色々と心に傷を負いながら、着いた学食。
なに食べるか決まってないから、メニューが置いてある場所に向か……ったら。
「、、、」
心臓が、跳ねた。
目の前に……いるから。
ほんとの目の前……俺の目の前に、メニューを見てる、高橋ななちゃんが、いる。
手を伸ばしたら、すぐに触れるくらいの、距離。
後ろから、初めてまじまじと見たら、俺よりも、全然ちっこい体のサイズ。
サラサラの、髪の毛。
まだ新しい、制服とカーディガン。
全部にドキドキする俺は、まるでなんかの病気みたいだ……