おどおど姫と甘い恋♡
「なにしてんのって、飯食うに決まってんだろ」
「あ、そっかー」
合った目はソッコーで逸らされたけど……
間近でバチっと合った目に、一瞬時間が止まった気がした。
「直人がリーダーとか、俺ら勝てる気しないんだけど」
「なに言ってんの、去年俺らのチーム優勝したじゃん。だから今年もいけるって!まぁ優勝は俺らがもらうから、そっちは準優勝だけどね!」
「2年と1年のチームで優勝とか、まじ奇跡だったよね」
「今年は俺ら2年同士でチームになったから、去年みたいに先輩に気ぃ遣わなくて楽ー!」
「いやお前、去年も俺らに気なんて遣ってなかったろ。なぁ大ちゃん」
目の前から動かないあの子に、心臓がやばいくらいドキドキしてる。
彼氏いんのに、失恋なのに、そんなの関係ないくらいドキドキしてる。
こんなん……どうしろっていうの。
どうやって諦めればいいの……。
「食うもん、決まった?」
「ん、あー……うん、」
「俺唐揚げ定食ー!」
「直人、うるせ、」
メニューなんて全然見てなかったから、なんも決まってないけど、取り合えず菊の後ろに着いて歩きだす。
あの子……すんげぇ長い間メニュー見てるけど、なに食うか、相当迷ってるんだな。