おどおど姫と甘い恋♡



「お、マンボー!春田はー?」



人混みの中、向こうからマンボーが現れて足を止めた。



「今席取ってくれてる」

「まじ?俺らの分もあるかな?」

「あるんじゃない?知らねーけど」

「なんだ、瞬ちゃんいないのか」



瞬くんがいなくてがっくりしてる直人は、2年の友達と合流して唐揚げ定食を取りにいった。


直人を見てたら唐揚げが食いたくなってきたから、俺も同じのにしよっかなってぼんやり思う。



「そだ、マンボーっていつもスーとなにしてんの?」

「なにって?」

「大ちゃんがさー、彼氏と彼女はなにすんだって、気になるらしくて」

「……。」



いや、マンボーとスーの事情は、あんま気になんねぇけど……。


つーか、全然気になんねぇけど……。



立ち止まって喋りながら、なんとなく辺りを見渡した。


すぐ目に飛び込んだのは、俺らの少し後ろの方で、なんにもない宙を見上げているあの子と友達。


2人して動かないで、ただ空中を見上げてる……。



「……。」



なに……してんの。


なんであの子たちはいつも、あんな怪しい行動ばっかなの。


かわいいけど……謎すぎる……。


< 98 / 166 >

この作品をシェア

pagetop