おどおど姫と甘い恋♡
「お、マンボー!春田はー?」
人混みの中、向こうからマンボーが現れて足を止めた。
「今席取ってくれてる」
「まじ?俺らの分もあるかな?」
「あるんじゃない?知らねーけど」
「なんだ、瞬ちゃんいないのか」
瞬くんがいなくてがっくりしてる直人は、2年の友達と合流して唐揚げ定食を取りにいった。
直人を見てたら唐揚げが食いたくなってきたから、俺も同じのにしよっかなってぼんやり思う。
「そだ、マンボーっていつもスーとなにしてんの?」
「なにって?」
「大ちゃんがさー、彼氏と彼女はなにすんだって、気になるらしくて」
「……。」
いや、マンボーとスーの事情は、あんま気になんねぇけど……。
つーか、全然気になんねぇけど……。
立ち止まって喋りながら、なんとなく辺りを見渡した。
すぐ目に飛び込んだのは、俺らの少し後ろの方で、なんにもない宙を見上げているあの子と友達。
2人して動かないで、ただ空中を見上げてる……。
「……。」
なに……してんの。
なんであの子たちはいつも、あんな怪しい行動ばっかなの。
かわいいけど……謎すぎる……。