塩彼氏の愛
社会人2年目を迎える私、新しく後輩も入ってきた今日この頃。
本日は会社の交流会があり、私の所属する経理課と営業課の歓送迎会という名の合同飲み会。
営業と経理は密になるので毎年合同でやっているらしい。昨年は新入社員だと言うのに、ユンちゃんが風邪引いたから看病に来いと言うのでそちらを優先したので、今回が初めての参加。
ちなみにその時は会社に嘘の申告をさせられた。親戚が危篤のためと…。俺とお前はガキの頃から家族ぐるみで生活してたんだから嘘ではない!と耳にタコが出る程言われてやむなく…

職業柄、いつも忙しいユンちゃんはLINEしてもほぼ返信が無いので(暇でも彼は返信してこない。気が向いた時のみ返信あり)私が勝手に、今日は何をしただとか、ミヤ(同僚で親友)とご飯行くだとか、一方通行の連絡をしている。社会人になるまではお互い実家暮らしで近所で生活していたので、週に何回かはユンちゃんの家に押しかけて生存確認して帰ってこれたけど、大学卒業と同時に会社の近くで1人暮らしを始めたユンちゃん。(ちなみに私も1人暮らししようと思ったら兄とユンちゃんになぜか全力で止められて断念)

そんなこんなで基本一方通行だし、ユンちゃんの職種は多忙で本当の本当にとても忙しい。
私の都合で会いに行って良いわけがないので、会えるのはユンちゃんの身体が楽な時と決めている。なので、実は1ヶ月以上顔を見てない。声も聞いてない。完全にユンちゃん不足。
せめて、声だけでも久しぶりに聞きたいなと思い、LINEではなく電話してみる事に…

トゥルルルル〜

5〜6回ほどの着信音鳴り
やっぱ忙しいか…
諦めて切ろうと思った瞬間

「…あ? ナニ?仕事中…」

なんとも気怠そうな声で面倒くさそうに
電話に出たユンちゃん。
冷たいですって?これが彼の通常運転。
そして、声が元々とても低いのでヨリ冷たく感じる。

「あっ、ごめん。 今日飲み会で…」

正直、電話に出ると思ってなかったので
出てきた声はビビり気味。

「あっ?!いい御身分だことでっ!!
俺は仕事中‼︎社会人ともなれば飲み会も付き合いの1つだろ?!それにどうせいつものミヤって子と行くんだろう?行けばいいじゃん。」

氷に塩かけるとどうなるか知ってます?!
より冷たくなるんですのよ。

「えっ?!ミヤ?ああ、うん。ミヤもいるっちゃいるけど… お お仕事中にゴメンネ、頑張ってね…」

ツーツーツー

切れたし…

もう!ユンちゃんのバカ!!ムカつく!
冷たすぎ!!

でも

生存確認終了!!
生きてたね。
元気にしてるっぽい

良かった…

良かった。
< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop