夜風のような君に恋をした
「……さっき、彼氏からどんなメッセージきたの?」

「今度の日曜日にね、行きたいところがあるんだって。だからついてきて欲しいって言われたの。いつも塩対応で、こんな風に誘われたの初めてだから、うれしくて」

ふわふわの綿あめみたいにかわいい笑顔で、ニコニコと笑う芽衣。

考えてみれば、そうだ。冬夜は電車の中でも人目を集めているくらいきれいな外見をしている。

彼女がいたっておかしくない。むしろ、いない方がおかしい。

それにしても、私はどうしてここまで傷ついているのだろう? 

冬夜は私にとって特別な存在だけど、言ってみれば運命共同体のようなもの。

彼女がいるとかいないとか、関係ないはずなのに……。

「雨月ちゃん、どうかした? 顔色悪いけど」
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