夜風のような君に恋をした
冬夜に向き直り、震えながらその顔を見つめる。
高架を吹き抜ける夜風が、今までにないほど冷えているように感じた。
彼の黒髪が、サラサラと流れるように揺らいでいる。
「ん? どうかした?」
あまりにもじっと見過ぎたからか、冬夜が不思議そうに首を傾げた。
闇によく似た黒い瞳に、アーモンド形のきれいな目元。
筋の通った鼻に、薄い唇。
いつ見ても、きれいな冬夜。
――だけど、冬夜の友達がいよいよ私たちの目の前に来た次の瞬間。
まるで夜風にさらわれるように、冬夜の姿は徐々に掻き消されていった。
満開の夜桜が、強風に煽られ、いっせいに空にさらわれていくように。
彼を取り巻く世界そのものが、霞となって消えていく――……
高架を吹き抜ける夜風が、今までにないほど冷えているように感じた。
彼の黒髪が、サラサラと流れるように揺らいでいる。
「ん? どうかした?」
あまりにもじっと見過ぎたからか、冬夜が不思議そうに首を傾げた。
闇によく似た黒い瞳に、アーモンド形のきれいな目元。
筋の通った鼻に、薄い唇。
いつ見ても、きれいな冬夜。
――だけど、冬夜の友達がいよいよ私たちの目の前に来た次の瞬間。
まるで夜風にさらわれるように、冬夜の姿は徐々に掻き消されていった。
満開の夜桜が、強風に煽られ、いっせいに空にさらわれていくように。
彼を取り巻く世界そのものが、霞となって消えていく――……