夜風のような君に恋をした
「冬夜は……」

中高生を中心に大人気の、芽衣が収集に躍起になっている、ふわふわの熊キャラを知らないと言った冬夜。

今のような引きこもりになる前の、高校生の姿のお兄ちゃんを友達と呼んでいた冬夜。

――『あの子がちゃんと言わないから、はっきりとはわからないし、原因はひとつじゃないのかもしれないけど……』

お母さんとの会話が、走馬灯のように、頭の中によみがえる。

――『五年前に、その友達が亡くなったことが大きなきっかけになってるんだと思うの。……自殺だったらしくて』
< 147 / 232 >

この作品をシェア

pagetop