夜風のような君に恋をした
孤独なんてもう慣れているはずなのに、いつもとは違う虚無感が、胸をじんとさせた。

――さっきまですぐ目の前に彼女がいて、俺の言葉に受け答えをし、ときどき笑顔を見せてくれていたのに、もうどこにもいないのが悲しい。

これは、恋なんていう大それたものじゃない。

だって俺は死にたがりで、彼女も死にたがりで、俺たちの関係はいつ切れてもいいような希薄なものなんだから。
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