頼くんを堕とす方法
「お、莉子?」



「っ…尚人…」






ラフな格好をした尚人の右手にはコンビニ袋が見える。





「夏休みっていうのにどうしたよ、その顔は」



「…色々、です」



「もしかして右京?」



「……」



「莉子さ、右京と付き合うようになってよくそういう表情してるよな。それって、莉子が望んでた付き合いなのかよ」



「…頼くんには元から期待してなかったし、そういう人って割り切ってるつもり…だったんだけど……難しいよね」



「このままあいつと付き合っても、ずっとこういうことばっかなんじゃない?一度きりの青春が本当にそれでいいのかよく考えるんだな」







尚人はそう言うと、片手を上げて帰って行った。





尚人の言葉は何一つとして間違っていない。
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