頼くんを堕とす方法
でもこの優しさに触れてしまった以上、もう頼くんから抜け出すことは不可能。





だからお願い…




その優しさは、わたしだけに向けてほしい。





なんてわがまま、口が裂けても言えないね。






この嫌がらせを機に、頼くんとの距離はうんと縮まった気がしていた。







だから、嫌がらせをしてきた子たちにはちょっぴり感謝してみたり…?




という相変わらずの単純さに自分でも引いちゃう。






「頼くんっ、大好きだよ」



「はいはい」





一歩前を歩く頼くんの背中に素直な気持ちを伝えた夏の夕暮れ時。
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