頼くんを堕とす方法
律くんの気持ちはもう伝わっている。




だからもう謝らないでいいのに。






「ね、律くんはほんとになにも思わないの?沙耶さんのこと」



「ん〜思わない、かな。莉子ちゃんを好きになって、沙耶への気持ちを改めて知ることができた。だから、沙耶には申し訳ないと思ってる」



「…そっか…」







じゃほんとに沙耶さんへの気持ちは好きとは違ったんだ。





「俺ってね、ガキの頃から頼にはなに一つとして勝てなかったんだよね」







どこか遠くを見つめながら話し出した律くんに耳を傾ける。




「勉強も運動も恋愛も……頼にはいっつも敵わなかった」



「……うん」



「いつからか親からも比べられるようになってて、それがほんとにつらくてさ…それが嫌で変わろうと思ったんだよね」
< 353 / 414 >

この作品をシェア

pagetop