頼くんを堕とす方法
少しして、勢いに乗せた足を緩めた時「莉子ちゃんっ!」と走ってきた律くんから呼び止められた。








「なに、どうしたの!?頼になんか言われた?」




肩で息をしながらそう尋ねてきた律くんに瞳を重ねる。






「……つらい……」



「つらい…?」



「…頼くんを好きでいることがつらい……わたし、頼くんとはつくづく合わない」



「……拒否んないで」



「え…」






気づいた時には律くんの腕の中。




……律くん、あったかい。





その温もりが涙を誘う。




「っ……頼くんなんて好きにならなきゃよかった…」
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