頼くんを堕とす方法
……えっ!?頼くんが!?!?



な、なんで!?





あんなに沙耶さんのこと好きだったじゃん!




それにっ!





「でも頼くん好きな人がいるって……聞いたよ?それ沙耶さんのことでしょ?なのになんで振るの?」



「…それ、本人に聞いてみたら?……俺ね、ほんとに…すごく莉子ちゃんが好きだよ。でも…俺じゃ無理なんだよね。頼の代わりにはなれないや」






と歩き出す律くんの背中を追う。





「これまでたくさん努力して頼より上を歩いてきたつもりだけど…運動とこればっかりはお手上げ。今日はそれを伝えたくて待ってたんだ」



「律くん…」



「莉子ちゃんの心の中に俺はいないでしょ?無理に好きになろうとしてくれてたことも気づいてた。そのまま好きになってくれればとも思ったんだけどね」






寂しく笑う律くんに胸が痛む。
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