気づけば君が近くにいてくれた



「実はね、小学4年生の時に事故が起きたの」



特にその日は気温が低くて寒い日で、エアコンだけでは足りず、石油ストーブもつけていた。


夕飯はちょっぴり豪華なハンバーグで、家族3人笑顔で食卓テーブルを囲んでいた。


寒い寒いと言いながらお風呂に入って温まったあとは、寒さにも負けずお風呂上がりのアイスを食べて、おやすみとお母さんとお父さんに告げて部屋に戻った。


次の日も学校で、忘れ物がないか確認をしてから布団に入って部屋の電気を消した。


熱を逃がさないようにと毛布と掛け布団を深く被って眠りにつく。


そのせいで熱くて目が覚めたのだと思っていたんだ。


部屋のドアの隙間から見える、炎と黒煙。


お母さんとお父さんは無事なのか。


今外はどんな状況なのか。


わからないまま、煙だけがどんどんと部屋の中に充満してきた。


幼い私は、お母さんとお父さんの無事を確かめたくて、部屋のドアを開けてしまい、そのせいで一気に火が燃え広がってしまった。


私は運良く消防士さんに助けられたけれど、お母さんとお父さんは……炎の中に消えていってしまった。



「その時にね、柱が崩れてきて……破片が頬に当たって火傷の跡が残っちゃったんだ」



そっとマスクを外す。


ちゃんと2人に火傷の跡を見せるのは初めてだ。





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