気づけば君が近くにいてくれた



元から“可哀想”だとか“痛そう”だとか、そんな言葉をかけられたことは何度もあった。


成長していくにつれて、痛々しい目で見られることが多く感じるようになって、他人の表情をうかがうようになった。


気にすれば気にするほど、他人からの視線を感じるようになって、それが気持ち悪くなって、前髪も伸ばして俯いて歩くようになった。


なるべく外からの情報を取り込まないように
俯いているとこの跡を虐待だと疑われることも増えた。


そのせいで昭子おばあちゃんが疑われた。


中学校に入学すれば、私の過去を知らない人が増えて、さらに私を不審な目で見られることが増えた。


いつの間にか友達も離れ、小学校ほど先生たちも親身に話を聞いてくれることも少なくなった。


それもあって気づけば、孤立していたんだ───



そうしているうちに学校では影で、


“あの子暗すぎ”

“笑ったところ見たことない”

“なんか親いないらしいよ”



そんなことを言われているのは知っていた。


でも直接嫌がらせをされたり、悪口を言われたことはない。


それでも学校という場所が、居心地の悪い場所になっていた。





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