気づけば君が近くにいてくれた





それから数日雨の日が続いて、公園には行けないからといつも通り私の部屋で勉強会が開かれた。


もう高校生になってから数ヶ月。


未だに入学式以来1度も学校へは行けていないけれど、香純ちゃんと藤波くんのおかげでなんとか勉強にはついていけている。


それでもやっぱり中学生で学ぶ内容よりも難易度が高くなっていて、それも少しずつさらに難しくなってきているようにも思う。


私がつまずく度に、藤波くんが優しく丁寧になおかつわかりやすく教えてくれた。


そしてまた雲ひとつない青空が広がった日、学校帰りに来てくれた香純ちゃんと藤波くんに公園へ行こうと誘われた。


なんだかんだ前回来た時から1週間ぶりとかだろうか。



「えっと、それは?」



藤波くんが手にしていたのはいつもとは違うもの。


いくつも折り重なって結ばれた長い縄。



「実桜ちゃんもやったことない?大縄跳び!」


「あ、あるけど……」



やっぱり大縄跳びに使う縄だ。


小学生の時の授業とか休み時間にも遊んだ記憶はある。


突然の大縄跳びのお誘いにびっくりした。


それもそうなんだけれど、それよりも藤波くんが大縄跳び用の長縄を持っていることに驚いている。


この前のバトンといい、今回の縄といい……藤波くんはどこからそんなものを仕入れているのだろうか?




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