気づけば君が近くにいてくれた
不思議に思いながらもなんだかんだ2人につられて、準備運動をして体を温めた。
藤波くんが公園にある太めの木の幹に縄の片方を縛り付けて、もう片方の端を手にグルグルと巻き付けて私たちに合図を出した。
「準備オッケー、回すよー」
グルングルンと縄の残像が見える。
地面に当たるパシッという音が懐かしい。
「先に入るから、実桜ちゃんもついてきてね!」
私にニコリと微笑んだ香純ちゃんは、私を置いて回る縄の中へと綺麗に入っていく。
軽やかに跳んで、さらに器用に跳びながら体の向きを変えて私の方を見る。
「実桜ちゃーん、おいで!」
手招きをされて、私の番だと縄のリズムを体に刻む。
縄が奥に行ったタイミングで入ればバッチリだ。
久しぶりすぎてすぐには入れず、何度もタイミングを見送る。
香純ちゃんと藤波くんも私を応援するように、入れるタイミングで“はい”と掛け声をくれた。
そんなかいもあって、引っかかることもなく無事に中へ入ることができた。
「実桜ちゃん上手!」
香純ちゃんにも褒めてもらえて、思わず私もマスクの下で口角が上がった。