気づけば君が近くにいてくれた



その日からというもの、毎日のように家に香純ちゃんと藤波くんが来てくれて、雨の日以外は必ず公園へと連れ出された。


そして突然始まる鬼ごっこ。


なぜか常備されているリレーのバトンと長縄でミニリレーや大縄跳びに誘われる日々。


訳がわからないまま一緒に遊ぶ。


でもそれが本当に楽しくて、あの事故が起こる前の時のように友達と遊ぶ楽しさを感じることができた気がする。


思いっきり体を動かして、本気で勝負してなんだかんだハンデをつけてくれたり手加減してくれて、負けた藤波くんが帰り道にアイスをご馳走してくれたり。


宿題が出ている時は、私の部屋に戻ってきてお菓子をつまみながら勉強会をして……



「香純ちゃん、藤波くん、またね!」


「うん、またね」


「実桜ちゃん、ばいばーい!」



楽しい時間が終わったあとは、玄関で2人を笑顔で見送る。


私が手を振ると2人とも手を振り返してくれた。


2人が帰る時間はちょっぴり寂しい。


まだまだ一緒に居たいななんて思ってしまう。


きっとそれだけ今、この時間が楽しいってことなんだと思う。





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