気づけば君が近くにいてくれた
ずっと怖かった学校。
ずっと嫌だった他人の視線。
ずっと人と関わることを避けてきた。
もう怖くないと言うのは嘘になるかもしれないけれど、ここには私の大切な人がいる。
私を支えてくれる人がいる。
そして、私も支えたいと思う人がいる。
「みーおうちゃん!」
「香純ちゃーん!」
咲ちゃんと佐々木くんと別れてから教室に向かおうとすると、後ろから私を呼ぶ声がした。
私はすぐ身を引こうとしてしまったのに、仲良くなりたいと言ってくれて、私をいつも笑顔にしてくれていた。
今となっては大親友の香純ちゃん。
そんな私たちが抱き合うのは、挨拶の一部。
そうそう。
あの後、香純ちゃんにメイクの仕方を教えてもらって、今はマスクをしなくても外を自由に出歩けるようになった。
左頬の火傷の跡はなくなったわけではない。
今もメイクの下にくっきり残っていて、これを見せるのはやっぱり怖い。
でも、いつかこの火傷の跡も丸ごと受け入れられたらいいなって思えるようになった。