気づけば君が近くにいてくれた



アオイさんに呆れられたらどうしよう。



……その時は、その時か。



今更、友達が離れていくのなんて慣れたようなもの。


そもそもアオイさんは、友達ではないのかもしれないけれど。



《え、なんでわかったの!?》



既読になっていることを確認してからすぐに返事は返ってきた。



「え、本当だったの?」



ほんの冗談で言ったつもりだったのに、図星だったことに驚く。


直接話しているわけではないのに、びっくりしすぎて思わず声に出てしまう。


久しく恋バナなんてしていなかったから、アオイさんとそんな話をできたことが嬉しかった。


なんて返事をしようかと考えていると、続けてメッセージが入った。



《そういえば、学級委員になっちゃったんだ〜》


《なんか大変そうだね……》



立候補なのか推薦なのか、はたまたくじ引きやジャンケンみたいな運で決めたのか。


でも、アオイさんは話してるとしっかり者な気がするから、きっとリーダーとしてクラスをまとめてくれるんだろうな。


アオイさんがもしクラスメイトだったら、私も楽しく学校生活を送れていたのかな。


それからアオイさんは学校での話をよくしてくれるようになった。


私は学校に行けていないけれど、とても楽しそうに話してくれるおかげでなんだか私も楽しい気持ちになれた気がした。






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