気づけば君が近くにいてくれた
「はぁ……片寄さん、これ受け取ってくれる?今日配られたプリントと宿題って言っても、提出は学校に来れる時でいいよ。僕が先生に伝えておくから安心して!」
僕が何とかすると自分の胸を拳で叩いて、自信ありげな藤波くん。
学級委員ってだけの藤波くんにそんな力があるとは思えないけど……
私がいつ行けるかなんてわかんないし、またこのまま不登校になってしまうかもしれないのに。
いや、確実にその可能性の方が高い。
小崎さんはまた遊びに来るってさっき言っていたけれど、こうして会うのも今日が最後かもしれない。
でもせっかくそう言うのなら、ご好意として受け取っておこう。
「わかった、ありがとう」
とりあえず……と、藤波くんに差し出されていたプリントでいっぱいのファイルを受け取った。
これ、さすがにちょっと宿題にしては量が多すぎない?
「あ、授業わからないと思って来る前にコンビニでノートのコピー取って入れておいたんだ。迷惑……じゃなかったかな?」
そんなことはない。
むしろ休んでいる分のノートを見せてくれるなんて、本来ならありがたいことでしかない。
「ううん、そんなことないよ」
そう答えると、藤波くんは嬉しそうにしていて、隣にいる小崎さんとガッツポーズまで決めていた。