気づけば君が近くにいてくれた
私は学校に行きたいのか、かぁ。
「はぁ……」
家を出る気がない私は、ルームウェアを着たまま大きなため息をついてベッドに寝転がる。
もう一度スマホの画面に目を向けて、深呼吸をしてから胸に手を当てた。
心臓がドクンドクンと鳴っているのが、手のひらを通じて聞こえてくる。
視線を天井から少し下にずらすと、ハンガーに掛けられたままのまだシワのない綺麗すぎる制服がある。
毎日ちゃんとあの制服を着て高校に行っていれば、もう少し体に馴染んでちょっとしたシワもついていたのかな。
もう入学式の日からは2週間近くが経っている。
このまま休み続ければ続けるほど、学校には行きにくくなる。
それは中学生の時に感じた。
最初は少し休んで、落ち着いたらまた行こう。
そう思っていたのに、もう少しもう少し……とその日は遠のいて行った。
そうして今日もまた部屋に引きこもる、そんな日々が続いていくうちに本当に学校に行けなくなってしまっていた。