気づけば君が近くにいてくれた
今この時間も世間一般的には授業中だから、もちろんアオイさんからの返事は返ってこない。
必死に適当な小説を開いて読もうとしてみるけれど、返事が気になって集中できない。
何度も送ったメッセージを削除してしまおうかと画面を開いたけれど、それができずにいた。
きっと、多分。
心のどこかで期待している自分がいたのかもしれない。
毎日暇だと感じてたとはいえ、今日ほど1日がこんなにも長く感じた日はない。
もう何度時計の針を目で追っただろうか。
もうすぐ時刻は午後の4時になる。
───ピロン
ついにその時がきた。
いつもこの時間に来るメッセージは、アオイさんからのもの。
アオイさんが返事をくれたんだ。
一体なんて?
私の返事を見て、どう思った?
普段はすぐに開くことができるのに、今日は怖くて開けられない。
アプリを開くため、画面をタッチしようとしている指が震えている。
えぇい!
もう押してしまえ!!
画面と格闘すること30分。
自分に喝を入れて、半ば投げやりになりながらタップしてアプリを開いた。