気づけば君が近くにいてくれた
「うん、わかった。それならどうぞ」
「お邪魔しまーす!」
「ありがとう、片寄さん」
私の部屋に人を招き入れたのは、初めてかもしれない。
何故か、この2人なら部屋に入れてもいいと思えた。
どうしてかはわからないけれど、心のどこかで出会ったばかりのこの2人のことを信頼していたのかもしれない。
まるでアオイさんに出会った時のような、そんな気持ち。
「私の部屋、この小さなテーブルしかないんだけど……」
きっと使うことはないだろうと押し入れの奥にしまい込んでいた折りたたみ式のテーブルを引っ張り出してきた。
これもお父さんが学生の頃に使っていたものらしく、かなり年季の入ったもの。
古いけれど、作りはしっかりしていてまだ使えそう。
「大丈夫だよ!ほら、ギリギリ3人座れる!」
小崎さんと藤波くんが向かい合わせに座って、私はいわゆる誕生日席になる2人の間に座ることになった。
確かにこの座り方なら、ノートを机の上に広げても大丈夫そうだ。