気づけば君が近くにいてくれた



順番が来ると、無言のまま買う予定だったペンライトとタオルを手に取って店員さんへと渡す。



「ありがとうございますー!はい、次の方こちら空いてます!」



淡々とお会計も済んで、やっと会場の中へと入ることができた。


当選した席は運がいいのか悪いのか、2階席の一番後ろ。


アーティストとの距離は遠くて残念だけれど、一番後ろということは他の人からの視線を浴びるリスクも少ないから、私的には安心した。


しかも入口が近いから、帰宅者で混み合う前にスムーズに会場を出ることができそうでとてもラッキーかもしれない。



《席に着いたよ。2階席の一番後ろだった》



まだ少しだけ開演時間まで余裕があったから、放置してしまっていたアオイさんに返信をした。



《そっか、ちょっと遠いね》


《アオイさんはどこだった?》


《アリーナの右側だよ》



アリーナかぁ……位置にもよるけどここよりも近くで見れるのかな。




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