二十年目の同窓会


「舞衣は?彼氏とかいないの?」


「うーん、今はいないな」


高校のときはまだ、稔のことが好きで、一回告白されたことはあったけど断って。

その後、大学でふたり、社会人になってからひとりと付き合ったけど長くて二年くらいしか続かなかった。


「今までの人、向こうから告白されて付き合ったけど長く続かなかったんだよね~」

と梅酒のロックを飲みながら答える。


結婚願望がないわけじゃないけど、その段階までたどり着きもしなかった。


「お互い独り身か」と美織は言うと、二つ隣のテーブルを見てゴホッと咳き込んだ。

どうしたのかと、そちらを見ると浩平くんが手招きをしている。


「なんだアイツ」

と言っている美織の背中を押し、送り出した。


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