二十年目の同窓会


「大学ではその空気も徐々になくなって、だからか、告白されることが増えたみたいだったから急いで告白したんだよね」


村井くんは「懐かしいな~」と料理を口に運びながら言う。

私たちは結局二年付き合ったあと、円満に別れたんだけど、今までこんな話をしてくれたことはなかった。


「いろいろ初耳なんだけど」


「だって格好悪いでしょ、勝算なかったから告白しなかったなんて。


まあ、俺が言いたいのは。

舞衣ちゃんには神原なんて忘れちゃって、幸せになってほしいなってこと」


それってまるで、忘れきれてないと言われているようで。

村井くんは私の顔を見ると無言で微笑み、ビールを注ぐと「じゃあ」と別のテーブルに移っていった。



グラスに口をつけ、一気に飲み干す。

今まで飲んではいたけども。

注がれたビールは、やっぱり苦かった。


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