二十年目の同窓会
ここか、と会場に着くとそこは予想通りちょっと高そうなお食事処だった。
少しカッチリした服着てきてよかったと胸を撫で下ろす。
掘炬燵とも聞いていたので、ベージュのパンツスタイルのセットアップを着てきた。
中に入ろうかなと思ったところで。
「…舞衣?」
懐かしい声がした。
もう、二十年も会ってないのに。
少し低くなったけど、それでもわかってしまうその声は。
振り返ると、手を振りながら近づいてくる稔がいた。