二十年目の同窓会
それから一時間ちょっと話したところで、昔ばなしになった。
「美織と舞衣ちゃんと稔は幼なじみなんだっけ」とだいぶ酔いが進んだ浩平くんが言う。
「そうそう、美織とは小学校から稔は幼稚園からね」
中学校まではとくに三人で遊んだな、とあの頃を思い出す。
高校は、美織はすぐに浩平くんと付き合って、それからは稔とふたりで遊ぶことが多くなった。
「舞衣は何かと稔に勝ちたくて、勝負挑んでたよね」
「もー、小学生のころの話じゃん」
何杯目かの梅酒を口に含むと、さっきより酔いが回った感じがする。
「俺、全然負けなかったけどな」
ニッと笑いながらこっちを見る稔と、今日初めてちゃんと目があった。
「あー…始まったよ」と美織は浩平くんと一緒に別のクラスメイトと話し始める。