二十年目の同窓会
「わわ、普段泣き上戸とかじゃないんだけどね。
飲みすぎたかな、ごめん帰るね」
サッと涙を手で拭うと、立ち上がる。
席が出入口付近でよかった。
稔がどんな表情なのか確かめずに、足早に店から出た。
飲みすぎたせいで若干フラフラする。
とりあえず水を口に入れてタクシー探してと考えるけど。
これ以上足が動かない。
ダメだ飲みすぎた。
仕方ないから、会場から美織を…とスマホを取り出そうとした手をギュッと強く握られる。
そのままゆっくり引っ張られ、自動販売機が近くにあるベンチに座らされた。
その人は、水を買うとギャップを開け手渡してくれた。
「…稔、ごめ…「まず飲め」
言い終わる前に、ちょっと怒ったように言われる。