二十年目の同窓会


ゴクゴク飲んだところで、ふぅと息を吐く。


「あのさ、俺たちもう三十八になるよ。
フラフラになるほど飲むな」

と至極全うな注意をされる。


「はい、おっしゃる通りで」


うう、情けない。
当たり前だけど、いつもこんなに飲みすぎるわけじゃない。


「それで?
あれは酒のせい?」


あれとは、先程のあれだろう。
俯いたまま両手を膝の上で握る。


「…お酒のせい、だけじゃない」


小さい声だけど、決心したように言う。


私は十年前に決めたのだ。
嫌いなものは無理しないし、好きなものは好きと言うと。

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