二十年目の同窓会
「…私、稔のこと好きだったよ。
きっとずっと。
十年前に結婚したって聞いて、割りきれたと思ったんだけどな。
まさか、ちょっと話題になっただけで、泣くなんてね。
……まだ好きなんだろうね」
自分でも驚いた、泣くほど好きかと。
二十年も会ってないのに、時間は解決してくれなかったのかと。
もはや悔しい。
このまま楽しく同窓会が終われば、友達に戻ることはできたのに。
でも誤魔化すことはしたくなかった。
これで、本当にお別れだ。
そう思い、目を閉じたまま俯いていると。
唇に柔らかいものが当てられた。