二十年目の同窓会
カチッと電気をつけられたその部屋は、最後に行った中学生のときとは違い、ずいぶんとシンプルだ。
でもところどころに彼の好きなものがちりばめられてて、変わってないところに安心する。
靴を脱ぐと早々に腕を引かれて、奥にあるベッドに座らされ、コロンと優しく倒された。
顔の両側に手をつかれたと思ったら、右手だけ自分の首元に持っていきネクタイを緩める。
「考え事なんて余裕だな。
…俺は余裕なんてないよ、子供のころの十数年分の想い抱えてるから」
「……十数年とは重いね。
でも、きっと私はそれ以上…」
と言いかけたところで、ちゅ、と口を塞がれた。
…この言い合いはまたあとで、なんて。
考えたところで目を閉じた。