二十年目の同窓会
私は高校を卒業するころにはもう、稔のことは考えなくなっていたし。
今さら会っても意識することもないだろうと思う。
それなら、他の友人にも会いたいし、と同窓会の返信用ハガキには出席に丸をつける。
他の友達、と言えば私と稔のもうひとりの幼なじみ長谷川 美織を携帯の連絡先から探し電話をかけると。
ジャンジャンと美織の好きなアーティストのヒット曲が一瞬かかり、すぐに「あ、もしもし」という馴染みの声が聞こえる。
「美織、電話出るの早いね」
あまりの早さにちょっと笑ってしまう。
「舞衣から電話なんて珍しいもん、すぐ出ないと。
いつもメールじゃん」
「同窓会のハガキ来た?美織も行くか気になっちゃって。
電話のほうが早いから」
私がそう言うと、なるほどと短く返される。