二十年目の同窓会



立食形式なので、友達のいるテーブルを探しながら進む。

あっちこっちに面影のある人を見つけられるけど、中には体型が変わっていたり、髪が薄くなったりしている人もいる。


そうしてキョロキョロしていると「こっちこっち!」と聞きなれた声に振り返る。


「美織!会いたかった!」


「私もー!」という美織と軽くハグをする。


美織は鮮やかなグリーンのミニ丈ワンピースに、大きいイヤリングをつけている。
メイクもバッチリだしめちゃくちゃ綺麗だ。


「バッチリ決めてきたね」


「当たり前じゃん!!
ほらあれ、見て!アイツ。
こっちを見もせず女子口説いてるよ。
なんのためにおしゃれしてきたと思ってんだよ!」


グビッとビールを飲み、グラスをガンッと少し乱暴に置く。

「まだ未練あるの?」と聞くと。

ブンブン首が取れるんじゃないかってくらい横に振って、否定する。


「そういうことじゃないんだよ、別れた彼女が綺麗になったって見せつけたいんだよ」


ともう一杯ビールを飲んだ。



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