HERO～先生の攻略法～

「あの子の体に痣があった……」
「え！？じゃあ、何で逃げなかったの？」


その理由は私になら分かるかも知れない。


「殴られても自分が悪かったなんて思うし、優しい時の思い出が出てくるんじゃないかな……」
「え！殴られても？」
「……う、ん。そう」


エミリが信じられないと言わんばかりの、表情を浮かべた。


「じゃあ、助けられないよね……」


思い出すのは殴られた後に、秋から貰う優しい言葉で揺れていた自分。


「うん。普通なら殴られたら離れるもの……」
「理解できないなぁ……」