あやかし戦記 愛ゆえの選択
今日のイヅナは、白いニットセーターにブラウンのミニ丈のスカートを履き、黒のブーツとチェック柄のショルダーバッグを持っている。少し前に、三大戦闘員の一人であるチェルシー・モールバラと買い物に出かけた際に買ったものだ。

ヴィンセントは、青いパーカーの上にステンカラーコートを羽織り、白のダボッとしたパンツとブラウンのローファーを履いている。かばんは黒のショルダーバッグだ。

「レオナードだったら、絶対に褒めてくれないわ」

「レオナードは「美人」とか「可愛い」とか言う割には、細かい女性の変化には気付かないよね。恋人ができたら相手を怒らせてばっかりだったりして……」

レオナードの名前が出たことで、話題はレオナードのことにすんなり変わった。イヅナもヴィンセントも、どこか寂しそうな目をしている。

このような華やかな祭りは、レオナードの大好きなものだ。去年までは毎年三人でこの祭りに遊びに行き、射的などのゲームで遊んだり、屋台の食べ物を色々買って三人でシェアした。では、今年は何故レオナードはいないのか。それは、任務で国を離れているからである。
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