塩彼氏の愛③ 学生編
私の名前は朝倉花(アサクラハナ)大学2年生
父と母と2才上の兄の空(ソラ)の4人家族である。


父と母には学生時代からの友人がいて仲が良く
その家族(三井家)も近所に住んでいるので
小さい頃から家族ぐるみの付き合いがある。


ちなみに三井家には男の子が2人いる。
長男の康之助(コウノスケ)
コウちゃんはお兄ちゃんと同じ年で
次男の悠之介(ユウノスケ)
ユンちゃんは私と同じ年なので
子供同士も兄弟のように育ってきた。


こんな感じで私の周りは男子しかいないので
おままごとや人形遊びというのは幼稚園の中の
友達と少しやるくらいで、後は兄達やユンちゃんの後ろをついて周り、木登りや鬼ごっこばかりしていた。

3人が空手をやると言えば私も空手をやり
サッカーを習うと言えばサッカーもやった。
小学校までは、それはそれは必死にやった。
でも中学1年の秋に、月のものが始まり
私は3人とは違うという現実を知る。
何をやっても勝てないし、追いつけないのだ。


そこからは、早かった。元々私よりも年上のお兄ちゃんとコウちゃんは、常にほんの少し目線が上くらいだったのが、見上げるほどにドンドン大きくなり、同じくらいの身長だったユンちゃんもグングン伸び、あっという間に20センチ以上離された。


気がついたら、私だけが160センチで止まり
180オーバーの3人に見下ろされるのが当たり前になっていた。


そんな私を兄は小さい頃から過保護か?というくらいに構ってくる。兄は見た目が神々しい程のイケメン。兄が彫刻になったら数億円の値がつくだろうなと、妹の贔屓目なしでも思う。
そんな兄は基本、私には超がつくほどに優しいが、私服で遊びに行く時はズボン一択。タンクトップや肩の出る服は禁止。制服のスカートの長さを測られ、もうちょっと長くしなさいを毎日。年頃の男(この3人は可)と口を聞いたらダメ。とにかく出したらキリがないけど
どこかの身分の高いお姫様と勘違いしてるんじゃないか?というくらいに制限をかけてくる。

それでも、私はお兄ちゃんが大好き。
だって、私には超優しいから!


ユンちゃんは、お兄ちゃんと結託して
私がちょっとハメを外そうとすると、フラ〜ッと現れて邪魔してくる。ユンちゃんもまた超絶イケメン。切長の目なので冷たそうな雰囲気で兄とは真逆だけど、初対面の人が3度見するくらいのイケメン。ただ、この男の笑顔は誰にも敵わない。糖度100%なのである。
煩い女は嫌いだとか言って、普段は男子達の中でワイワイやってて、私といる時は登下校の時だけなのに、なぜか、何か変わったことをしようとすると邪魔してくる。
そして、お兄ちゃんと正反対なのは顔だけじゃなく、めちゃくちゃ毒舌かましてくる所。
でも、たまーに優しい。
それと、私の性格を良く理解している。
だから、嫌いにはなれないのである。
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