合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
氷の美姫(五)
ミアを庇おうとするキースの言うことには、一理ある。
しかし今までが今までなだけに、そう簡単に信じきれないのも確かだ。
「私、でもどうせなら、ミアみたいな容姿に生まれたかったです。ふわふわしたストロベリーブロンドの髪に、大きなピンクの瞳。人懐っこくて、誰にでも好かれる、そんな風に」
ない物ねだりなのは自分でも分かっている。
でもいつも人の中心にいて、可愛がられるミアが私には羨ましくて仕方がない。
「俺は、今のソフィアが誰よりも可愛いと思っている。それに見たことも話したこともない他人の評価など、気にしたところでどうしようもならないさ。ソフィアだって、俺に会う前の評価と、今一緒にいる時の評価とでは全く違うだろ?」
キースの方を見る。
第一印象も悪かったこともあるが、王弟殿下としてキースの噂は確かに良いものはなかった。
いつも遊び呆けて、特定の婚約者など置かず、とっかえひっかえ違う女の人と遊んでいるというのが私の中でのキースを知る前の評価。
でも先ほどの仕事量にしてもそうだが、わざとそういう遊び人と思われるように振舞って見せていただけかもしれないと思っている。
近づけば近づくほど、もっと知りたいと思う自分がここにいるから。