合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
魔物の肉(七)
冒険者たちは口々に、冷やかしを言い出す。
やはり、魔物はこの世界では食べないものらしい。
この件は諦める方がいいみたいだ。
「おいおい、ちゃんと答えろ、お前ら。さすがにオレもキレるぞ」
ギルド長の一喝で、冷やかしや野次が止まった。
「何の魔物でもいいんですか? うちのチームはバジリスクだったら食べたことありますよ。硬くてうまいもんではなかったですけど」
確か、バジリスクはトカゲのような大型の魔物のはず。トカゲならば、確かに肉付きは悪く硬そうだ。
「あの、そのお肉は硬いだけで、問題はなかったですか?」
ただ、硬いだけならば柔らかくするか、揚げるか何かしてしまえば大丈夫なはず。
毒と、あまりに不味いのならば話はまた別なのだが。
ギルド長の代わりに私が聞いても、先ほどの様な野次はもう飛んでは来ない。
「ああ、毒とか特に問題はなかったよ」
「コブリンやオークは食えないぞ。あいつら汚すぎて、匂いからして食べられる類のもんじゃない」
「わたしのとこは、コカトリスを食べたって子がいるわよ。尻尾と頭は無理だけど、胴体は所詮鳥だし」