合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
閑話休題(二)グレン視点
どこかおかしな姉妹(一)
今日はミアの我が儘に付き合ってドレスの打ち合わせ以外にも食事や買い物をしてきたせいで、すっかり遅くなってしまった。
夕方前には戻るとキースに約束した時間を過ぎ、すでに日は沈んでいる。
小言の一つも覚悟しながら、執務室の扉を開けた。
「お帰り、グレン。何かいい物は見つかったか」
「遅くなってすみません。ドレス選びに時間がかかってしまって。それにしても随分、上機嫌ですね。どこか行っていらしたんですか?」
「ああ、ソフィアと少しな。婚約式と結婚式のドレスを作るんだ。時間ぐらいかかるだろ」
「それもそうですが」
「なぁ、それよりグレン、魔物ってお前はどう思う」
上機嫌だとは思ったが、急にその勢いのまま質問が飛んでくる。
そういえば、昔からそうだったな。
キースとはもう長い付き合いになる。
前王が生きておられた頃、第二王子であるこの方の遊び相手としてこの城に連れて来られてからの仲だ。
そんな頃から興味を持ったものがあると、急に質問を投げかけてくるだの。
しかも答えが微妙だったり、答えにくいような質問ばかりだ。