合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
どこかおかしな姉妹(四)
「殿下、ここへソフィアが来たのですか」
「ああ、書類はソフィアが半分片付けてくれたさ」
ソフィアの優秀さはキースより自分の方が知っている。
「彼女がやった書類を見てもいいですか?」
そう、その上でずっと気になっていることがあった。
「書類ではなく、お前が見たいのはこっちだろ」
そう言ってキースが一枚の紙を差し出した。
それはソフィアが計算する時にメモとして使っていた紙だ。
紙には見たこともないような記号や計算方式が書かれている。
そう、これは彼女の秘密といっても過言ではない。
完璧な令嬢にも関わらず、他の令嬢とは明らかに何かがあの姉妹は違う。
幼いころから、ずっと二人には興味があった。
いつも言動がややおかしいのは妹であるミア。
そしてミアは何かにつけてソフィアの様子を探り、固執していた。
「で、それで何か分かったか」
「もちろんですよ」
「ずいぶんと腹黒い笑みだな」
キースに言われ、自分が笑みを浮かべていることを自覚する。
何せずっと知りたいと思っていたことの片鱗が垣間見えたのだ。
喜ばずにはいられないだろう。