合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
目覚め(五)
ゆっくりと、なんとなく状況が掴めてくる。
私たちはあの日、トラックに轢かれて助からず、この世界に生まれ変わったのだ。
前に読んだ本で、異界転生とかいわれていたものがあった。
おそらく、そういったものの類だろう。
ここがどこの世界なのか、何かの本の世界なのかは全く見当もつかないが、生まれ変わったということだけは確かなのだろう。
そしてそれも、よりによって瑞希と共に。
もし唯一の救いがあるとしたら、それは双子ではないということだけ。
それにしても、また姉妹だなんて……。運がないにもほどがある。
ため息を気づかれないように飲み込んだ。
「頭がすごく痛むから、横になりたいのだけど」
これは嘘ではない。記憶が戻って混乱しているせいか、それとも物理的になのか。
先ほどから、頭や節々が痛くて仕方ないのだ。
「そーだと思いますよー。だって姉さまが乗っていた馬車が、転倒したんですもの。あちこち、痛いと思いますょ」
「馬車が転倒?」
「覚えてないんですかー? んー、やっぱりダメかぁ」
「どういう意味なの、ミア」
「何でもないですょ。こっちの話です」
そう言って、またニコリと笑った。
私たちはあの日、トラックに轢かれて助からず、この世界に生まれ変わったのだ。
前に読んだ本で、異界転生とかいわれていたものがあった。
おそらく、そういったものの類だろう。
ここがどこの世界なのか、何かの本の世界なのかは全く見当もつかないが、生まれ変わったということだけは確かなのだろう。
そしてそれも、よりによって瑞希と共に。
もし唯一の救いがあるとしたら、それは双子ではないということだけ。
それにしても、また姉妹だなんて……。運がないにもほどがある。
ため息を気づかれないように飲み込んだ。
「頭がすごく痛むから、横になりたいのだけど」
これは嘘ではない。記憶が戻って混乱しているせいか、それとも物理的になのか。
先ほどから、頭や節々が痛くて仕方ないのだ。
「そーだと思いますよー。だって姉さまが乗っていた馬車が、転倒したんですもの。あちこち、痛いと思いますょ」
「馬車が転倒?」
「覚えてないんですかー? んー、やっぱりダメかぁ」
「どういう意味なの、ミア」
「何でもないですょ。こっちの話です」
そう言って、またニコリと笑った。